2014年12月9日火曜日

「ニッポンの健康と住まいの真実」を語る いやし健康増進住宅研究会「第二回医食住健康フォーラム」

いやし健康増進住宅研究会は、2014年11月7日(金)に「第二回医食住健康フォ
ーラム」を東京・神田のエッサムグリーンホールで開催。

今回は「ニッポンの健康と住まいの真実」をテーマに、「そのサラダ油が脳と
体を壊してる(百年賢脳・健康法)」の著書が好評の脳科学専門医山嶋哲盛先
生、食育指導士の伊場優子先生、"住"環境専門家として知られる法政大学デザ
イン工学部建築学科助教川久保俊先生をお招きしての講演。さらに、各先生方
を交えパネルディスカッションも行いました。ディスカッションでは、住まい
手やつくり手にもご登壇いただき健康住宅に関わりを持った実体験をお話しい
ただきました。

住まいづくりにおいて健康問題を真剣に語り合っていこうという試みで始った
医食住健康フォーラム、2回目も食と住環境の関係を捉え、大きな成果を出し
ました。

◯サラダ油が認知症を引き起こす 脳科学専門医・山嶋哲盛先生のお話

物忘れが激しくなるといった認知症が話題になっていますが、いま全世界で認
知症は4,435万人(国際アルツハイマー病協会の推計)。2030年には7,562万人、
2050年には1億3,546万人になると予想もされています。

G7先進国の中でも「日米に多く、フランスイギリス、カナダでは少ない」と
いうことですが、具体的には、米国500万人、日本462万人、ドイツ140~150万
人、フランス100万人、英国80万人、カナダ74.7万人となっています。
日本は米国よりも40万人少なくなっていますが、人口比でみると日本は米国の
3分に1の人口ですので百数十万人でいいはずです。このことから、実態は米
国よりも2~3倍多いというのです。

そして、山嶋先生は認知症を引き起こす原因となっているのが「サラダ油にあ
る!」と指摘されています。サラダ油に含まれるリノール酸を摂りすぎると認
知症だけでなく、喘息や湿疹、感染症になりやすいといわれているのです。そ
うした論文は10年ほど前に、ミネソタ大学の女性教授が発表したといいます。

サラダ油は大豆、菜種、トウモロコシなどから油をつくるわけですが、製造過
程で油から油を絞るといってガソリンの一種のヘキサンなどを使います。濃度
は低いものの、こうした毒性のあるものを食べ続けると、脳に蓄積し認知症な
どの病気を引き起こすというのです。

「料理の専門家はカロリーを気にする。おいしいかどうか、値段が高いどうか
を気にする。しかし、健康にいいかどうかは気にしていない」と山嶋先生。も
っともっと常日頃、食の安全性を健康からの視点で考えたいものです。


◯電磁波が脳細胞を劣化させる

今一つ山嶋先生は、住環境からの視点で電磁波が同じように脳を酸化させてし
まうというショッキングな問題提起されました。

高圧線は電磁波を発しています。スエーデンでは高圧線のある300m以内は住宅
着工ができないようですが、日本は規制がないとのこと。高圧線以外にも携帯
電話、スマホ、電子レンジ、IHクッキングヒーターと身近なところに電磁波
発生源があるわけですから、電磁波には対策が必要です。

最後に山嶋先生は、「50歳過ぎたら、脳と体を使う健康な趣味をもとう」と締
めくくりました。


◯脆弱な断熱性能が死亡率を高める 
  法政大学デザイン工学部建築学科助教 川久保俊先生のお話

川久保俊先生には、「健康に暮らせる住まいとは?」というテーマで、最新の
研究成果などを公表してもらいました。

住宅と健康との関わりで調査をすると、東北地方などで冬に脳卒中、肺炎、心
筋梗塞などで死亡する人が多いということですが、それはどうしてなのかを調
査したところ、「年齢 性別 遺伝 生活習慣 体質、食生活、生活習慣など
の影響が考えられますが、住環境も影響していると思う」と川久保先生は語ら
れました。

東北地方は心疾患、脳血管疾患が多い地域なのですが、これは脆弱な断熱性能
に起因する低い室温が原因と考えられます。暖かい部屋から廊下を出たときに
寒くて、ヒートショックで倒れ、死亡するケースも多いようです。

また、北海道などの断熱性能の高い地域は、肺がんが多い地域でもあります。
これは、気密性が高まったために、ファンヒーターなどの室内の空気が汚染
される機器の使用によるものであると考えらるということです。

以前はシックハウスと言えば空気汚染でしたが、こうした温熱環境による健康
被害を「新シックハウス問題」と呼んでいるとのことでした。

また、「食生活だけでなく、住環境も健康に大きく影響する」とした上で、今
後は「ボケ防止や、家族の絆を強める間取りや住まい方にに目が向いてくるだ
ろう」と川久保先生。

住環境をいま一度点検しつつ、健康配慮の住宅に取り組んでいきたいものです。


◯「まごわやさしいこ」の実践を 伊場優子先生のお話

食育指導士の伊場優子先生には、健康の源である元気をいただくとともに、バ
ランス感覚を持った食生活の重要性をお教えいただきました。

伊場さんのお子さんがひどい喘息だったため、様々な薬を試してみるものの改
善せず、そんな時に「食事を見直して身体の根本から変えていく」という"食養"
という考え方に出会って実践したところ、子どもたちの症状が改善し、食育に
目覚めたということです。

春には春の野菜、夏には夏の野菜と地のものを食べるのが健康にいいと語りま
すが、「まごわやさしいこ」の食べものを摂ろうと語ります。
 ま(まめ)豆類
 ご(ごま)種実類
 わ(わかめ)海藻類
 や(やさい)緑黄色野菜など
 さ(さかな)魚介類
 し(しいたけ)きのこ類
 い(いも)いも類
 こ(酵素)発酵食品
このような食べ物を日本人が昔から食べていたものです。そして、これらの食
べ物が日本人の健康にとってとても有益であることがわかってきています。ぜ
ひ「まごはやさしいこ」を実践し、食べ物からも健康になりましょう。


◯健康住宅に住まわれる施主様の健康住宅に対する信頼
  パネルディスカッションでのお話

山嶋先生、伊場先生、健康住宅専門の工務店である千葉県のヤワタホーム・八
幡社長様、そして、ヤワタホーム様で自宅を建築されたY様でのパネルディス
カッションを行いました。

このディスカッションでは、Y様の体験談が感動を呼びました。

Y様は昔、ある社宅にお住まいになっていたということですが、お子様が重度
のアトピーと喘息で悩んでおられました。様々な手を尽くしても一向に回復し
ないお子様を前に途方に暮れていた時に出会ったのが、ヤワタホーム様の健康
住宅・いやしろの住まいのモデルハウス。

そこに連れて行くと、今までアトピーのせいで、夜も眠れなかったお子様がぐ
っすり眠られたとのこと。これを見た矢野様は、住んでいる家に問題であった
と気付き、すぐにヤワタホーム様に自宅を建ててもらうことを決心されたそう
です。

いやしろの住まいにお住まいになられてから、お子様の症状は劇的に改善し、
アトピー、喘息ともに治り、今ではスポーツに取り組み健康に過ごされている
とのことです。

この話をされているY様のヤワタホーム様への信頼は厚く、また感謝の気持
ちが溢れていました。また矢野様のお話は、住宅には人を健康にさせる力があ
ることを、再認識させていただく良い機会となりました。


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