2012年6月22日金曜日

WEBマーケティングコンサルティングあれこれ (3) ~ホームページの「運用体制」、具体的はどうするの?~

前回、WEBを運営いていくには”体制”が重要であるということを、書かせて
いただきました。
では、具体的にどのような体制を組んでいけば良いのかを今回紹介していきた
いと思っています。
その前に、住宅産業、建築産業だけではなく、一般的によくあるホームページ
の運営体制について、例を物語風にあげてみたいと思います。


 私が朝出勤すると私の所属する総務部の上川部長から声をかけられた。「ホ
ームページだが、だれに許可を取って、新規事業の紹介をしてるんだ?」ホー
ムページは総務部の担当になってはいるが、基本的に部長は何も関与していな
い。全て私に丸投げだ。「営業部の三宅課長から依頼が有りまして・・。」私
が答えると、「開発部の太田部長が怒っているぞ、まだあの製品は発表できる
段階じゃないって。いつも勝手に動いているようだが、それでは困るよ。」上
川部長もお怒りのようだ。
 いつものことだが、誰からもホームページには情報を早く載せろとせかされ
る。しかし、だれに許可を取らなければならないのか、だれが責任者なのか、
ホームページに情報を掲載するための業務フローがどうなっているのか、何も
決まっていない。部長に相談しても、「君に任せているじゃないか。」で逃げ
られてしまう。会社の情報が集約されているはずのホームページなのに、こん
な運用の仕方で良いのだろうか・・。-



会社でホームページを一番最初に作った時に、運用体制を構築してから制作を
始めた、という会社はとても少ないと思います。
運用についてよくある話では・・
・ITに一番詳しい若手が更新をしている
・チラシなどを作っている営業系の部門が片手間に対応している
こんな会社が多いように思います・
しかし、現在の消費者の動向として、会社の情報を最も集めやすく、また、見
てもらえるよう消費者を促している(URLを何にでも掲載していますよね)と
いう媒体であるにもかかわらず、何の戦略もなく、フローもなく運用していま
せんか?
さあ、ここからは本日の主題です。
ではどのような体制が必要なのでしょうか。
それには2つのキーワードがあります。
キーワードその1:効率的な情報収集
キーワードその2:適切なタイミングと適切な情報量での更新
キーワードその3:権限と責任
まずはキーワードその1の『効率的な情報収集』ですが、これは主に社内の情
報集めるということになります。
イベント情報、新商品紹介、年末年始の休み、・・。
そのような情報は常にホームページが最新であるべきです。
よくある話では・・、
営業さんが金曜日の夕方、「はい、これ明日の折込のチラシ。明日イベントが
あるから、ホームページにも載せといて。」ホームページの更新担当者はその
話を聞くまで、チラシが明日出ることも、明日イベントが行われることも知り
ませんでした・・。
ホームページの運営チームというものが有り、そのメンバーに営業担当者が入
っていれば、このようなことは起こりませんね。
ただチラシを渡されてチラシに書いてある内容をホームページに掲載するだけ
ではなく、より詳しい内容をホームページに掲載することも可能です。
そう、ホームページを運用するためには、あらゆる部署から情報が集約出来る
仕組みが社内に必要です。そして、そのためには運営するための社内横断的な
チームが必要なのです。
営業、設計、工事など社内のそれぞれの部門から人を集め、それぞれの部署の
情報を集めていくことが必要になるのです。
それぞれの部署から集まった人たちが、それぞれの部署から最新情報を持ち寄
り、それを掲載するか否かをチームで判断し、適切なタイミングで掲載してい
く。
このような体制が必要になります。
長くなりましたので、続きはまた次回。
次回は『適切なタイミングと適切な情報量での更新』の内容について書かせて
いただきます。

2012年6月11日月曜日

家事塾とのコラボ企画のご紹介

家事塾さんとのコラボ企画の第一弾、「家のコト、暮らしのコト徹底研究分科
会」の東京での2回目が5月29日に開催されました。
今回のコラボ企画は、設計や営業の方に向けて、ヒアリング力の向上をしてい
ただくためのセミナーで、講義形式とグループワークを組み合わせ、大変盛り
上がったセミナーになりました。
今回は、参加いただいた方の声をご紹介するとともに、家事塾と住宅産業塾の
次の取り組みについてお話させていただきます。
それではまず「家のコト、暮らしのコト徹底研究分科会」の東京での全2回に
参加された方の声を紹介させていただきます。
~ 参加者の声 ~
・家づくりを考え始めたお客様に家づくりの”気づき”を沢山与えられるよう
 になるので、差別化に繋がるのではないかと思う。
・これまでお客様の本音はどうか、ということに本当は注意していなかったの
 ではないかということを反省している。
・今回のセミナーに参加し、ワークシートを使ったヒアリングの手法などを学
 んだが、一度セミナーでやったくらいではなかなか自分のモノにはならない
 かもしれない。繰り返し練習し、モノにしてていきたい。また社内で自社流
 にするアレンジも必要だと思う。
・リフォームをしたい人に対しては、現在住んでいる家にたいするいろいろな
 問題を明らかにすることが出来る。とても有効だと思う。
・現状はお客様の真の声に耳を傾けるというより、お客様を自分の得意技(勝
 ちパターン)に持って行きまとめる、ということをしていたのではないかと
 反省している。お客様の本当の声を聞くことの大切さを理解できました。
・お客様のお宅に伺ってヒアリングをする機会が減っている現在では、家事塾
 のワークシートを使ったヒアリングの手法は本音把握にとても有効だと思う。
このように、これまで社内で使っていたヒアリングシートなどでは本音が出て
きていないのではないかという気づきと、家事塾のワークシートを使ったヒア
リングの技術の有効性を皆さん理解いただけました。
これからはそれを社内で効果的に横展開していただくことが大切です。

さて、今後の家事塾と住宅産業塾との取組ですが、まずは今回開催した分科会
の内容をより深くし、会員企業に訪問し、セミナーを開催することを考えてお
ります。
今回全2回で開催したセミナーは会社では一部の方しか参加していません。
そのため、教えてもらったスキルを社内で横展開するためには、その参加した
方が社内で広めていかなければなりません。
勿論、上手く効果的に広められる方もおられるに違い有りませんが、実際のと
ころ、教えてもらったばかりのスキルを他者に教えることは困難でしょう。
今回のセミナーでは、「学んだことを社内で試す」という宿題を出させてもら
いました。
その宿題を実行することで、自ら学んだスキルを「モノ」にしていただきたい
との思いからなのですが、実際のところ、難しいと実感されたのではないかと
思います。
そこで住宅産業塾では、社内にスキルを定着させることを目的に、その企業で
より深く学んでいただくことを考えております。
各社に訪問するセミナーでは全3回を予定しており、今回のセミナー以上に、ヒ
アリング力が付く内容になっていますので、是非取り組んでみてください。

2012年6月6日水曜日

WEBマーケティングコンサルティングあれこれ(2)

先日「ホームページにはそれを運用する体制が必要です。」ということをこ
こで書きました。
皆さんの会社では、ホームページを活用するために、運用体制は作れています
か?
とは言え、「”運用体制”って言ったって、どんなものを作ればいいの?」
そんな疑問が聞こえてきます。
そこで今回は少し具体的に、どのようなものを運用体制と言うのか、また、具
体的に何をすれば良いのかについて書いていこうと思います。
まず、私の言う”運用体制”ですが、以下のことをまとめて言っています。
1)ホームページを一つの独立したビジネスとして考えること
2)ホームページの成果を独立したものとして測ること
3)ホームページの成果に責任を持つこと
4)ホームページの企画・制作・更新・修正に携わること
5)お問い合わせや資料請求などホームページ独自の顧客との接点について、責
 任を持って担当すること
イメージが湧いてきますでしょうか?
もう少し具体的にならないとイメージが湧かないかも知れませんので、これか
ら、各項目について何回かに分けて解説いたします。
まず1)の「独立したビジネスとして考える」ですが、これはホームページ運営
ではとても大切なことです。
何となく運営するのでは無く、ホームページを一つのお店のように考えていた
だきたい、ということです。
そう考えると、店には店長が必要ですし、売上も必要です。
カフェなら調理担当や接客担当がいるでしょうし、お店の前の人の通行量も気
になります。
店内での滞在時間、客単価も気になるはずです。
物販なら当然売れ筋は何か、などの分析も必要なはずです。
そのような発想でホームページを考えていくとどうなるか?
反対に、上に書いたような事を知らないのであれば、そもそもそのお店が流行
っているのか、儲かっているのか、もしかすると赤字なのか、そんなこともわ
かりません。
ホームページも実際の店舗と同じです。
一つのビジネスとして考え、必要な数字を把握し、どのようにすれば成功する
のかを考えなければ、成功するホームページにすることはできません。
そして、その運用体制には必ずその事業を担当する人材(人員)が必要です。
あなたの会社はそもそもホームページの担当者がいますか?
先日住宅産業塾でホームページ活用にについてアンケートを行ったところ、
40%の企業で担当者がいませんでした。
そのような状態では成果を出すのは困難です。
あなたの会社はどうですか?

次回は2)の「成果を測る」ということについて、お話できればと思います。